TPP亡国論

Updated : 2012年1月14日

 「TPP亡国論」(中野剛志著)は、論旨が明確で分かりやすい本でした。
 「アメリカの雇用確保のため、アメリカ農業の輸出拡大を図りたい。」TPPは、この大目的のため、そしてその最大のターゲットとして日本を狙い打ちするため、推進される、本書はそれをいろんな角度からこれを立証しています。

 そして、アメリカは将来の世界戦略として、「穀物支配」を見据えており、その文脈からもTPPを推進しているといったことも明らかにしています。
 TPP後の日本は食糧危機への対応が困難になるとともに、現在日本経済が罹っている「デフレ」がさらに悪化し、経済失速が懸念されると、絶対反対を唱えています。
 もちろん、対中国、対ロシアの軍事防衛側面から日米同盟を強化することから、アメリカの意図を斟酌してTPP参加が必要であるとの考えがあることも紹介しています。
 しかし著者は、これに対し日本がTPPに参加するから、日米同盟強化には決してつながらない。と反駁しています。
 また、TPPへの日本参加が、日本にメリットがある、EUとのFTA交渉推進に効果があると、経産省が主張していることについても、むしろ逆効果であるといった論陣を張っています。
 軍事防衛効果や、EUとのFTA推進効果については、私には、判断がつきかねるところですが、穀物の大量流入は確かで、ということは日本の農業は明らか縮小の方向になるでしょう。
 となれば、農地の価格は下がることになりそうです。言ってみれば、TPPによって、安い土地を輸入するようなものです。
土地デフレを促進するTPPであれば、賛成しがたい。読後、そんな心持にもなったのでありました。もっともこの本の内容が正しければ、ですが。

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