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シェアで出逢えし。

     2015/05/22   時事回文      sada

「葬式はいらない」などの著者である、宗教学者、島田裕巳氏が約1年前に著した「人はひとりで死ぬ〜「無縁社会」を生きるために〜」はなかなか興味深い本でした。  最近、孤独死あるいは孤立家族死のニュースが目に付きます。また、かつて若者で賑わっていた郊外のニュータウンなどでは、独居老人の増加がもっぱら話題になっています。  地域内などでの人間関係が希薄で、まさに「となりは何をする人ぞ」という現代社会を今「無縁社会」と呼ぶようになりました。   ところで日本は戦後、高度経済成長時代を迎え、大量の人々が地方農村地域から東京、大阪などの大都市に流入しました。  それは、それまでの伝統的な村社会から、都市への移動でした。 これは、正に「無縁社会」の反対である村社会である「有縁社会」からの移動でした。  島田氏は、この有縁から無縁への移動が、決して移動した人々の意に背く現象ではなく、むしろ、ある意味硬直化した社会から脱出し、豊かになるために、進んで行ったことであるとも言える、と分析されています。  無縁社会はある意味望まれて、形成されたということです。  しかし、無縁を求めてきたはずの人々でしたが、結局かつての村の有縁ではない、別の有縁を求めることになりました。  この別の、いわば都市型の有縁社会は、終身雇用の企業であったり、あるいは新宗教団体が、その形成の担い手になったと、島田氏は述べています。  今、上司と部下の濃い人間関係、あるいは家族ぐるみの企業文化はすっかり衰退してしまいました。  都会の人々は、新しい有縁を求めて蠢いているのかもしれません。  そんなことを本を読み進めながら考えていたとき、 「そうだ、シェアハウスの起源はきっと、この文脈の中にあるな。」  と一人呟いたのでありました。

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