株式会社ワイズ不動産投資顧問

2024年2月19日「郊外戸建て上乗せ率伸びず」

東京地裁開札トピックス(24.2.19日号)

郊外戸建て上乗せ率伸びず 

 都心マンションの価格上昇は変わらず続いている感があり、昨週本欄で紹介の港区のマンションについて、占有関係に不透明さがあるものの、売却基準価額に対し約77.5%の上乗せ率であった。一方で郊外の新築販売物件の売れ行きが良くない話が聞こえるようになってきた。1月31日開札ではJR常磐線「金町」駅から約2.4㎞離れたバス便物件が対象になった。この物件、土地は南側で幅員約4.5mの私道に面した約20.4坪で、建物は築5年強の木造2階建て、延床面積が約23坪の一戸建てであった。

 この物件の入札結果は売却基準価額2174万円に対し10本の入札があり、最高価2685万円にて再販業者が競落した。売却基準価額に対する競落価格の上乗せ率は約23.5%で、先のマンションの上乗せ率の3分の1以下である。

 この物件の評価書を見ると正常価格として積算された建物価格は1376万円、土地価格は1392万円であった。これら土地建物の正常価格合計2768万円に対し競売減価20%を施すなどして先の売却基準価額2174万円が導かれている。

 都心マンションの競落価格は正常価格の2倍程度となる例が多いところ、先の戸建ての競落価格は正常価格を下回る結果になっている。

 しかもこの戸建ては所有者居住であり、占有関係は複雑ではない。この競落結果は郊外の一戸建て市場が振るわなくなってきていることを反映しているように思う。

 ただマンションの上乗せ率も都心・準都心物件に比して郊外で且つバス便物件などはかなり低いという現状もある。マンションか戸建てか、所在する地域がどこか、で格差広がる上乗せ率である。

     開札トピックス   

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