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2024.3.11「かぼちゃの馬車まだ競売市場に」

東京地裁開札トピックス(24.3.11日号)

かぼちゃの馬車まだ競売市場に 

 平成時代が終盤となっていた頃、「かぼちゃの馬車」事件は起こった。スマイルデイズ社が女性専用シェアハウスによる高利回り収益物件としてサラリーマン投資家を中心に販売したのが「かぼちゃの馬車」である。しかし高利回りのはずのシェアハウスは思うようにテナントが付かず、購入した投資家は購入時の借金の返済ができずに破綻した。ほどなくスマイルデイズ社も倒産するのである。このときの購入ローンを多く出したのがスルガ銀行であり、事件後金融庁の一部業務停止命令を受けた。

 2月15日開札では京成金町線「柴又」駅徒歩約8分に立地する土地約31坪と、その上に建つシェアハウス「かぼちゃの馬車」(11室、延床面積約36坪)が対象になった。この物件、2015年に販売され、2016年3月に竣工したものの、実際はテナント付けをほとんど行わず、現在全戸空室の状態である。この物件を購入したのは個人であり、9000万円を超えるローンがスルガ銀行からなされている。そして今般、昨年10月にスルガ銀行が差押え競売に付された。スマイルデイズ社は破綻後かなり時間が経過した後の競売となったのは「かぼちゃの馬車」債務者の損害賠償請求が事件化されたことに関係するように思う。

 この物件の売却基準価額は2400万円であったが、これに対し入札は20本あり、最高価4521万円にて落札されていった。これがこの物件の予想収益から考えられる市場価格であると思われるが、取得ローン総額の半分を下回り、当時の価格の法外ぶりがよく分かる結果であった。

     開札トピックス   

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