2025年4月28日「練馬一棟物件が再入札で再度高値競落」
東京地裁開札トピックス(25.4.28日号)
練馬一棟物件が再入札で再度高値競落
アベノミクス以来収益物件、特に一棟もの共同住宅の人気が高まり、一棟ものの販売を主とする上場不動産会社も登場してきた。その一棟ものの利回りもアベノミクス当初は東京23区内鉄筋コンクリート造で表面利回り年7%であった。しかし、地価高騰とそれに伴う相続税圧縮対策ニーズもあって今のところ表面利回りは年4~5%が売買水準である。都心近くでは表面利回り年4%以下であっても不思議はない状況である。
そんな中、4月9日開札で西武新宿線「都立家政」駅徒歩約8分に立地する軽量鉄骨造で築16年の共同住宅が対象であった。この物件、土地は約40坪で建物は1kが9戸から成っている(延床面積約68坪)。月額賃料は約69万円、年間で約825万円であるが、この条件で売却基準価額は7726万円であった。年利10%を上回る水準でもあり、入札36本が集まり最高価1億6200万円強で不動産会社に競落されていった。表面利回り年約5%の水準である。ちなみにこの物件昨年12月18日に入札40本を集め1億6800万円強で不動産会社に競落されたものの、代金不納付で再度入札となったのである。昨年せっかく競落できたのにもかかわらず代金不納付であったことには驚かされた。これは推測であるが、本物件の構造が軽量鉄骨であったことから、金融機関の担保評価が思ったほど伸びず、先の競落会社は残代金納付の目処が立たなかったのではないだろうか。結局このとき、2番手の入札価格をつけて競落できなかった会社が今回再度入札し、競落した。
今後収益物件について銀行等の担保評価がどうなっていくのかは一棟ものを扱う不動産会社にとって大きな関心事となるだろう。