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2025年6月16日「渋谷の土地共有持分が限定価格落札」

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東京地裁開札トピックス(25.6.16日号)

渋谷の土地共有持分が限定価格落札

 「隣の土地は倍でも買え」という格言は、隣地を取得することで現所有土地の価値が高まり、経済利益を享受できるので高く買っても損はない、ということを意味する。

 これが土地の共有持分であれば、相手方の共有持分は隣地よりも購入によるメリットは大きい。5月28日開札では山手線渋谷駅徒歩約11分に立地する土地の共有持分が競売対象になった。この土地は約93坪あり、そこに今回競売対象ではない戸建てが建っている。競売対象はこの土地の共有持分26分の11であった。この共有持分の売却基準価額は1億4403万円であった。この土地は相続税路線価が1坪約500万円のところなので、そこから計算すると相続税評価額相当約1億9700万円に対し約73%の水準である。

 相続税評価額より2割近く安いということで、割安との見方はできるが、共有持分取得後、投資額を回収するには、相当な交渉力と費用が掛かる。

 結果としてこの物件への入札は2本のみで、競落した法人は最高価2億3088万円にて競落していった。売却基準価額に対し60%を超える上乗せでの競落であったが、その競落者はこの土地の共有の相手方であり、且つこの土地上の戸建ての所有者でもあった。この競落者にとっては正に競売対象の共有持分価格は限定価格である。相続税評価額の約17%上乗せであってもその経済的メリットは多大に享受できそうである。ところでこの物件、競売申立債権者がタックスヘブンと思われる地域に所在する外国法人であり、競売に至る経緯はかなり複雑なようだ。

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