2026年10月5日「目的外建物の収去必要土地に入札17本」
東京地裁開札トピックス(26.10.5日号)
目的外建物の収去必要土地に入札17本
近時空き家問題は大きくニュースにも取り上げられている。東京の高級住宅地でも見かけることもあるが、相続が発生し、相続人間での処分等の協議が纏まらず放置されるケースが多いだろう。9月9日開札では東急大井町線「九品仏」駅徒歩5分に立地する山の手住宅地奥沢アドレスの約25坪が対象になった。この土地には対象となった土地の共有者の一人が所有する建物が建っている。昭和38年に先代が建て、その後改築を施したようだ。ただこの建物所有者はここには住んでいない空き家である。おそらくこの土地は姉妹での共有であるが、売却にあたっての協議が纏まらず今般の競売となったと見られる。
この土地の売却基準価額は5157万円であるが、競落者はこの土地上の建物を所有者と交渉し、解体することになるだろう。具体的には建物を買い取り取り壊すわけだが、その場合その買取対価はどのくらいであろうか。一つの参考になるのが評価書における建物の場所的利益である。場所的利益はすなわち無権原ではあるが存在することによる価値と言うことだが、これを評価書では土地評価の10%を見ている。評価書における土地の正常価格は約8950万円であるので、その10%の約895万円である。建物の物理的価値はほぼ無いと見られるので、この金額を目安としての交渉と思われる。この物件の競落価格は9145万円であったので、この建物収去費用を合わせれば1億円強の投下費用になる。解体費などを考えれば総額で1億200万円程度1坪あたり400万円強の取得と考えられる。次順位入札者が僅か11万円下であったので、相場水準を超えてはいないように思う。それにしても敷地利用権の無い建物付きの土地に17本入札があったことには少々驚いた。



