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2019年5月6日「法定地上権底地が高値で落札」

東京地裁開札トピックス(19.5.6号)

法定地上権底地が高値落札

 借地権が設定されているいわゆる底地は競売市場にはあまり見られない。これは金融機関が底地を融資の担保としてほとんど評価しないからである。そんな中4月11日開札では法定地上権付建物が存する敷地(底地)が競売に付された。実はこの底地の上に建つ法定地上権付建物は一昨年2017年12月に競落されたJR常磐線「三河島」駅徒歩約5分に立地する築30年で鉄骨造2階建延床面積約69坪の店舗・共同住宅である。今回底地が別途競売になったのである。地積は約52坪で3方向公道及び私道に面する。売却基準価額が793万円であったが、これに対し入札6本が入り最高価1866万円強にて不動産会社が競落した。次順位は50万円未満の差で先の法定地上権付建物の落札者であった。ちなみに建物の方は売却基準価額3002万円に対し入札17本あり、4868万円で競落された。年収で500万円くらいの建物なので、法定地上権付建物としては表面利回りで年10%超の高利回りであった。今回底地の競売でこの建物落札者が競落できれば総コストは7000万円弱で、土地建物所有権として表面利回り年7%くらいになるはずであったが、他社に取られてしまった。しかし建物落札者は低い地代で法定地上権付建物として保有し続ける選択肢もある。(現に月額1.5万円地代での法定地上権確認訴訟係属中である。)そうなると底地競落者は低い利回りしか得られず妙味はない。なんとか底借同時売却などに持ち込みたいだろう。今後の法定地上権者と底地の競落者間交渉は激しいものになるのではないだろうか。

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