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2019年9月9日「売却基準価額2万円に入札1本のみ」

東京地裁開札トピックス(19.9.9号)

売却基準価額2万円に入札1本のみ

 滞納管理費等が過大になり、管理組合が頭を悩めるケースは現在多くの地域で発生している。特に郊外のマンションではマンションそのものの流通価値が低下してしまい、滞納管理費を売却によって精算できないケースもある。8月8日千葉地裁松戸支部ではJR常磐線「北小金」駅から約2.3㎞離れたところに建つマンションが売却基準価額2万円で対象になった。このマンションは築45年と古く、また一棟の建物自体が容積率オーバーで建っているため同規模の再建築が叶わないというハンデもある。しかも共用部分、専有部分とも管理状況は劣っていて、特に専有部分はリフォーム工事途中で終わっている状況である。6年前に競落した会社が再販しようとして資金繰りが付かなかったのか、再び競売になってしまった。結果として売却基準価額と同額の2万円で個人が競落していった。さて管理組合が競落者に請求を考えている金額は管理費等の滞納金が遅延損害金を含め約320万円、これに弁護士費用約32万円が加わる。さらに本来専有部分の区分所有者が負担すべき水道料金20万円超も含まれている。合計で370万円を超える金額になるが、果たして競落者は全て支払うだろうか。おそらくは専有部分に関する水道料金は支払を拒むであろうし、ひょっとすると弁護士費用や遅延損害金も支払拒否をするのではないだろうか。もし請求金額を減ぜられなければ、代金納付を競落者はしなければ良い。失う入札保証金は僅か4000円である。管理組合も譲歩しなければ機会を損失してしまうので相当の減額に応ずるのではないだろうか。

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