2025年9月15日「築41年中野1Rネット利回り7%弱落札」
東京地裁開札トピックス(25.9.15日号)
築41年中野1Rネット利回り7%弱落札
先日東京23区の単身者用住宅賃料上昇率が拡大しているとの新聞報道があった。
アットホーム社によれば7月の東京23区の賃貸マンション平均募集家賃は、単身者向け(専有面積30㎡以下)が10万3265円であった。これは前月比1.6%の値上がりで過去1年間では10.4%も上昇している。これを受けてワンルームマンションの販売業者は業績好調と推察される。そんな中競売市場のワンルーム競落相場はどうなっているかを8月27日開札で見てみた。開札対象の中に中野区で都営地下鉄大江戸線「西新宿5丁目」駅から徒歩7分に立地する築41年が経過するワンルームマンションがあった。このマンション専有面積は約4.4坪で賃料は月額5.7万円で賃貸中であり、年間収入から管理費等、固定資産税等を差し引いた実質収入が年68万円強見込める。
このマンションの売却基準価額は729万円であったがこれに対し最高価757万円弱で競落された。売却基準価額に対する上乗せ率は4%未満であり、入札本数は6本であったが、その多くが売却基準価額未満の応札であったように思う。賃料上昇傾向とは言え、このマンションは古く、またトイレバスが一体型の狭小間取りであると賃料上昇は難しいのであろう。競落価格水準上昇は認められない結果であった。ちなみに年利回りは実質7%弱での競落である。築年や設備が新しいものでは年利回り実質4%未満の競落も見られる中、物件による格差が広がっているように感じる。