2024年10月21日「共有持分マンションが高上乗せ競落」
東京地裁開札トピックス(24.10.21日号)
共有持分マンションが高上乗せ競落
このところのマンション価格高騰をリードしているのは都心立地、とりわけ3C(千代田、中央、港区)の物件である。アベノミクス以降の株価の上昇とやや遅れながら軌を一にしている。9月26日開札では東京メトロ南北線「白金高輪」駅徒歩約2分に立地する「プレイス白金ブライトレジデンス」の16階に位置する専有面積約20.6坪の3LDKの部屋が対象となった。築19年を経過するこのマンションは総戸数220戸の大きな規模で、立地もあって中古物件は高価格成約となっている。今年2月にはこの物件、この対象マンションより階下でありながら専有面積坪単価約650万円にて成約している。
対象物件の売買価格をこの成約事例から察するに約1億3400万円程度と見られる。ただこの対象物件は共有持分100分の31が対象であった。そして売却基準価額は1840万円であった。またこの部屋の占有者は競売に付された共有者ではない他の共有者が自宅兼自らが代表を務める法人の事務所として利用している。
この内容で入札は13本あり、最高価3918万円で法人が競落した。他の共有者が占有していて、引渡命令が発令されない共有持分競売にも拘わらず多くの入札と高上乗せ率競落であった。なおこのマンション占有者である共有者も入札に参加しており、3812万円強の入札価格で次順位買受申込資格者となった。100万円強の違いで他人に競落されたことでこの共有者は大層残念であったであろう。今後の明渡しや共有持分売買の協議は難航するように推察される。それにしても競落価格は部屋全体で1億2600万円強の水準であり、高い水準に驚かされた。