2026年6月1日「曖昧な権利関係土地を債権者自己競落」
東京地裁開札トピックス(26.6.1日号)
曖昧な権利関係土地を債権者自己競落
競売物件では特殊な権利関係のものが散見される。その中でも土地に対する利用権に関しては、その解釈によって大きく評価が異なる。5月20日開札では中央線「高円寺」駅徒歩8分に所在する土地が開札対象になった。この土地には土地所有者ではない第三者の所有権名義の建物が存する。問題はこの建物の敷地利用権である。土地所有者が代表を務める法人名にて建物所有者に賃貸している形ではあるが、そもそも土地所有者と貸主である法人との契約関係は不明である。現況調査報告書では使用借権と捉えているので、そうであれば競落人には対抗できない権利であり、建物収去・土地明渡が求められると思われる。しかし、評価書ではこの建物に借地権が付いているものとして評価されている。従ってこの土地はいわゆる借地権が設定されている底地として評価された。底地であるのでこの立地で約28坪の広さで1062万円という売却基準価額であった。その低い価額ゆえに31本もの入札を集めた。入札者の多くは競落後に借地権を無いものとして建物所有者と折衝する考えだったと思う。しかし、展開によっては借地権が認定される恐れもあり、入札価格はそのリスクを控除したと考えられる。そんな中、債権者から債権の譲渡を受けたサービサー会社の関係会社が4200万円で落札した。おそらくは内部事情を把握していると思われ、大幅な上乗せ率で競落していった。債権者自己競落には一般の入札者は勝てないようだ。



