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2019年5月13日「100%競落札も入札本数低減傾向」

東京地裁開札トピックス(19.5.13号)

100%競落も入札本数低減傾向

 相変わらず高競落率の東京地裁であるが、この日入札1本という物件が4物件もあったのに目を引かれた。さらに入札5本未満も散見されるなど入札本数の勢いに陰りが見える。全体として競落1物件当たりの入札本数が10本未満なのもそれを裏付けている。その中で日暮里舎人ライナー「舎人公園」駅徒歩約10分に立地する一戸建てがやはり入札1本でさらに売却基準価額を下回り買受可能価額に僅か超えたところでの落札になった。その物件は敷地が約14坪で私道(42条1項5号)に面している。当該私道の持分も分有の形で有している。建物は築44年の木造2階建であるが古家であり、商品化にあたっては建替えが前提であろう。この物件の売却基準価額は826万円で、1坪単価60万円弱であったが、結果として最高価は671万円と坪単価50万円を下回る水準であった。私道面の古家建替えにあたっては、水道、下水、ガスの各管の埋設について他の私道所有者の承諾を要し、競落者には負担が掛かる。とりわけこの物件は都市ガス敷設可能地域であるが、現況プロパンガスであるなど、インフラ整備には相応のコストが掛かりそうだ。売却基準価額を下回る水準での競落にはそういった背景があると考えられる。

     開札トピックス   

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