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2022年9月5日「大使館敷地の分譲マンションが高上乗せ率競落」

東京地裁開札トピックス(22.9.5日号)

大使館敷地の分譲マンションが高上乗せ率競落

 平成バブル期(1986年)に分譲・建設された「ディアホームズ三田」は鹿島建設が施工、分譲した高級マンションで、現在ヴィンテージマンションとして扱われている。7月21日開札ではこのマンションの3階部分専有面積71坪の3LDKの部屋(約3坪の区分倉庫付)が競売対象となった。このマンション、敷地の権利は地上権で、地主はイタリア国という変わったマンションである。地目は大使館敷地となっており、イタリア大使館の敷地の一部に建っていることになる。地代は敷地の固定資産税等を区分所有者で持分割合によって負担するというもので、所有権と特にコストは変わらない。地上権であるので更新料などは無く、地上権の登記もなされ、建物と一体化している。分譲当時実質的にはイタリアから土地を購入したのであろうが、所有権移転登記がイタリアから何等かの理由で行えず地上権になったと考えられる。そんな状況であることから市場相場は所有権とあまり相違がないと思われる。しかしこの物件の評価書においては、敷地評価にあたって地上権割合80%として計算されている。その分、割安評価になったのか、競落価格は売却基準価額15120万円に対し7割近い高上乗せ率の2億5500万円にて競落されていった。競落したのは海外不動産などを扱う富裕層相手の不動産会社であった。円安の昨今中国などの富裕層への販売も視野に入れての落札ではないだろうか。高額不動産については海外とのパイプがある会社が強いと言われる現状を反映した競落結果と言えるだろう。

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