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2022年9月19日「好立地も狭小ワンルーム人気薄」

東京地裁開札トピックス(22.9.19日号)

好立地も狭小ワンルーム人気薄

 中古マンション取引が活発であり、価格も高水準と言われる中、1Rだけはちょっと様子が違っている。1Rについては自住用ではなくあくまで賃貸収益目的であるが、ここへ来てその賃貸市場が良くない。1R以外のファミリータイプは賃貸市場も堅調であるが、こと1Rについての空室率は首都圏で優に20%を超え、賃料水準も低下傾向にある。コロナ禍によりリモート授業となった大学生などの需要が減少していることや、相続税対策などで新規に供給される1Rも増加し、需給両方で賃貸市場が悪化している。

 8月31日開札でJR中央本線「西荻窪」駅徒歩約6分に立地する「トップ西荻」の1部屋が対象となった。専有面積は約4.3坪と狭小で、風呂とトイレが一緒になっている3点ユニットタイプで、築年は約38年と古い。しかしこの立地でファミリーマンションであればおそらく同じ築年専有面積坪単価で300万円程度はあり得る。この部屋も単純に4.3坪に300万円を掛ければ1300万円程度の流通価格も導かれる。しかし入札結果は物件売却基準価額610万円に対し入札は僅か5本で、最高価は5%程度の上乗せ率の641万円で、専有面積坪単価は150万円以下であった。同じマンションでも1Rは違う売買相場と言えそうだ。ちなみにこの部屋は共益費込み月額5.2万円で賃貸中なので競落価格を分母とすれば表面利回りは年9%超ではある。ただしこの賃貸水準が将来保たれるかは分からない賃貸市場である。アフターコロナで若年層の需要が戻ってくるのか、その動向に1Rの売買相場は大きく影響されるだろう。

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