2025年7月7日「北千住の3DKが一番人気」
東京地裁開札トピックス(25.7.7日号)
北千住の3DKが一番人気
東京カンテイ社によれば本年5月、東京23区内の中古マンションの平均価格は専有面積70㎡当たりで1億88万円と、統計を始めた1997年1月以降で初めて1億円を超えたとのこと。これは専有面積坪単価で476万円強に相当し、仮に賃料を1坪あたり1.5万円として考えると、賃貸に回した場合、表面利回り年4%以下の低利回り水準である。この報道に接すると、現在既に23区内にマンションを保有している人は、自宅が高い評価になっていることを喜ぶであろう。しかし、一方で手狭になったとして買換を考えた場合、高く売れても買換え先も高いことで、上手くことが運ばない虞も感じると思う。従って中古の売り物件の供給数はこのところ減少傾向にあるようだ。先高感により需要が増加している23区内マンションであるが、供給が減少していることで、ますます価格が強含みになっている。
そんな中6月25日開札では常磐線「北千住」駅徒歩約9分に立地する築33年で専有面積約18坪の3DKのマンションが対象になった。このマンションの売却基準価額は2007万円であったが、これに対し、この日最高の28本の入札があり、最高価3656万円強にて再販業者が落札していった。この物件の滞納管理費約30万円を考慮して、競落の専有面積坪単価は約205万円であり、先の平均価格の半分以下相当の落札である。23区内の中古マンションの価格はその中でも地域、築年、質などでかなりの格差が生じている。